番組構成師 [ izumatsu ] の部屋


素材起こしをひとまず終えて、今、打ち出してる。

A4 40字×40行で120ページほど。まだ取材がすべて終わってはいないのでもう少々増えるだろう。

机の右隣のカラーボックスの上に鎮座するプリンタは、ジコジコジコと打ち出しては、同じ用紙をガ〜ッともう一回引き込んで、またジコジコジコ。

両面印刷なのね。

ボーッと見つつ、便利になったなぁと思ったり。

「○○さんも、せこいですね〜!」

なんて、言われたことを思い出したり。

もう15年くらい前かなぁ。

仕事柄、どうしてもプリントすることが多いので、使用済みの用紙がたくさん出る。もったいないから裏を使うのが習性になっていて、その日も台本を使用済みの紙の裏にプリントして打合せをしていた。

そしたら、裏にもプリントしてあるのを見た若手のディレクターが、上記の言葉を発した。

ぼくの思慮が及ぶ範囲の言葉ではなかったので、その時は「?」と感じただけでスルーしたけど、あとで思い返して、裏紙を使うことを“せこい”と認識する人もいるんだなぁと妙に感心したことを覚えてる。

そのころの放送局と言えば、膨大な量の紙を片面だけ使ってはシュレッダーしてたもんなぁ。入社してまだ数年の、その若手ディレクターは、「もったいない」って言葉を知らなかったのかもしれないね。

この話を知人のフリーライターに話したら、

「自分で、プリンター代、紙代、インク代、電気代を出してから言ってみろ!」

って、怒ってたっけ。その言葉にも感心したな。


今では放送局も、ニュースの原稿もその面にバッテンをつけて再利用している。

あたり前なんだけどね。


ぎぇ〜〜〜〜、紙詰まりだぁ!!



3月末放送予定の番組では、沖縄の久米島で再現映像を撮る。出演者はすべて現地の皆さん。ディレクターの努力で多くの方にご協力をいただける運びとなった。

良かった良かった。

しかし、スタッフは当のディレクターとカメラマンの二人だけ。照明スタッフも、音声さんもいない。

予算がナイからね…。

二人で、20人以上の出演者の衣装、その立ち位置、光線の具合、音の調整、セリフの指導、映像のカット割り・・・何から何までやらねばならん。

キー局では考えられないだろうな、この現場。

以前、ぼくが付いて行った取材でも、スタッフはディレクターとカメラマンにぼくの三人だけ。

ローカル局の、さらにはドキュメンタリー番組の置かれた現状だね。あ、情報番組だってディレクターがカメラマンを兼ねる場合が多くなってきてるなぁ。

でも、この極少スタッフでもキー局と勝負できるのがドキュメンタリー。

おもしろくしなきゃね、意地でも、ね。



90歳のおじいさんのインタビューを書き起こし中。

戦地に赴いた経験を持つ方で、ディレクターは、最前線で何をどのように体験し、その時、何をどのように感じたのかをお尋ねしている。

しかし、お年寄りって、同じことを繰り返して話すのはなぜなんだろうね。

このおじいさんも、現地でトラックの運転手として兵隊を運んだことを何度も何度も繰り返す。

部隊では最年少、階級も一番下。しかし、トラックの運転が出来るのは自分だけ。敵から接収したトラックを、3時間練習しただけで動かした。自分が倒れると部隊が前へ進まない。だから、先輩方からかわいがられた。

きっと、誇りなんだろうね。

この話を、嬉しそうに何度も何度も繰り返す様子は微笑ましいほど。

だけど、ディレクターは微笑んでいるだけではいられない。自分が聞きたいことを、負けずに何度も何度も聞いている。

しかし、おじいさんの独歩には負ける。最初の15秒ぐらいは問いに答えるんだけどね。

時にいい話が続いて「おぉ」と思って聞いていると、「ドジン」って言葉が出てきて「あぁ・・・」。

電波には載せられない言葉なんだよぉ、おじいちゃん!


でも、最前線から深手を負って帰国して、90を超えるこの日まで長生きして、あの頃の想い出をはっきり語れるんだもん、偉いよね。

拝聴します。





素材を起こし始めて何日目かな〜?

ちょっと飽きたね。


既に起こしてもらっていた他局素材は、見つつ、抜けを埋めつつ、タイムコードを追加しながら40本を見終わった。

地元取材分、こちらはイチから書き起こしなので、ガックンとスピードが落ち、指先がこんがらがりながらボチボチ進む。

文字を起こしつつ見ると、やっぱ最低でも3倍は時間がかかる。40分テープだと2時間かかるという勘定で、内容がしゃべりばかりとなるとその時間は増えていく。

滑舌が良く、起承転結がはっきりした、その上テンポも安定しているという、まるでしゃべりのプロみたいな人のお話ならば、話の区切りのいいところまで聞いて映像を止め、それをとっとと文字にしていくことができるのだけど、ドキュメンタリーは基本的に普通の人が登場するので、こちらに都合のいいような話し方をする人はめったにいない。

あたり前だね。

しかし、上記の反対の方、例えば、口ごもって明瞭でなく、話があっちこっちに飛びがちで、さらには速射砲のように語る人の言葉は書き起こすのが正直しんどい。話の先が予測できないから、ちょっと聞いては止め、ちょっと聞いては止め・・・で、なかなか先に進まない。

う〜。

でも、取材に協力してもらったんだから、きちんと聞かなきゃね。それに、ちゃんと文字に起こしてないと、結局困るのは自分だもんな。

しかし・・・きょうはまだ6本。

う〜む、この主人公は難敵じゃ!

素材を起こしていると、時に同じミスタッチを繰り返すことが。

ぼくはローマ字入力なので、例えば「はい」と入力するには「H」「A」「I」の順に打つ必要がある。

「HAI」=「はい」なのだ。

なのに、時に「はい」と打ったはずなのに「ひあ」と表示される。

くそっと思って、もう一回入力しても「ひあ」。また「ひあ」、ずっと「ひあ」。

「HAI」と打っているつもりが、「H」「I」「A」になってる。

左手の小指が右手の動きについて行けず、「A」を打つ前に右手の中指が「I」を打ってしまうのだぁ!

もどかしい。ギターでスリーフィンガーを始めた頃みたい。

自分の指なのに…悔しか~。


しっかりしろぉ、左手!