番組構成師 [ izumatsu ] の部屋


きのうに引き続いて「賞」の話。

ギャラクシー賞という「賞」がある。これは「放送批評懇談会が日本の放送文化の質的な向上を願い、優秀番組・個人・団体を顕彰するために、1963年に創設」した賞(HP丸写し。詳しくは こちら )で、きのう、少し触れた民間放送連盟が主催する日本民間放送連盟賞と並び、放送に携わる人間が目指す「賞」だとされている。

日本民間放送連盟賞は全国を七つのブロックに分け、ジャンルごと(テレビならば「報道」「教養」「エンターテインメント」)に一等賞を選出。全国から集まった7番組からジャンルごとの最優秀賞を選ぶという形を取っている。

それに対し、ギャラクシー賞はNHKも含めた全国の放送局を対象に、ジャンルを分けずに年間14本(上期7本、下期7本)をまず選出。そして、5月の末に行われる最終選考会で最優秀賞(大賞と呼んでいる)など各賞が決められる。

ジャンルを分けないということは、ドラマもバラエティもドキュメンタリーも同列にそのおもしろさ、深さ、広がり、時代性、真摯度(なんて言葉はあるのかな?)などを問うことになり、選ばれる14の番組も種々雑多。大賞を受賞した番組を見ても、2004年度が東海テレビのドキュメンタリー『とうちゃんはエジソン』、おととしは日本テレビの『笑ってこらえて』。そして昨年はTBSのドラマ『タイガー&ドラゴン』が大賞だった。ごちゃまぜなだけに、選考結果は興味深いとも言える。

今年の大賞にはNHKスペシャル『ワーキングプア~働いても働いても豊かになれない』が選ばれた。この番組はぼくも見たけど、おもしろかった。テーマはまさに今・現在だ。きちんと取材されていたし、しっかりかっちりと構成もされていた。「なるほどねぇ…」と考えさせる番組だった。制作側の「熱さ」は感じなかったけど。

今年のギャラクシー賞には、制作に参加した番組が14本の中に選ばれた。琉球放送制作の『かっちゃん~還暦越えのロックンローラー』。元・コンディショングリーンのボーカルで、今もステージに立ち続けているかっちゃんの半生を振り返り、今を感じようというもので、大賞に選ばれたNHKの番組とは正反対に、制作側の熱い思い入れだけで成立しているような番組。「賞」というものには馴染むはずもないと思っていたので、選ばれたことはとても嬉しかった。

今年、ギャラクシー賞の各賞を受賞した14本は、NHKが5本を占めているけれど、民放キー局は1本だけ。あとはローカル局が制作した番組だ。

  → 第44回ギャラクシー賞 受賞作品

この賞に限らず、番組コンテストの結果を知るたびに思うのだけど、ローカル局の番組を、せめてこうした受賞作品だけでも見ることができないもんだろうか? 『かっちゃん~還暦越えのロックンローラー』が制作側の思い入れで突っ走って成立したように、他のローカル局発の番組もそれだけの「熱さ」があるはずだ。それをぜひ見たいし、できる限り多くの人に見てもらいたい。

でも、見ることができないんだなぁ、これが。

受賞作品はその局で再放送されることはあっても、他局で流れることはまずない。『かっちゃん~』なんて、沖縄県以外の人たちが見ても興味深い内容なのになぁ…。

何度も同じことを書いているけど(例えば 2005.10.06「賞、賞、あぁ賞」 )、「賞」をもらいました、記念に自局で再放送しました、では倉庫の中で永遠の眠りにつきま~す、じゃ惜しいと思う。

ローカル局の自社制作番組の比率は10%に満たない。その中で得たの「賞」なのだから、もっと使い道があるんじゃないだろうか? 制作力があることを対外的にも言えるだろうし、営業ツールとしても使えるだろう。

なんでもいい、どんな方法でもいいから、たくさんの人に見てもらいたい。視聴率が取れないとよく言われるけれど、流し見じゃなく、きっちり目を見開いて見てくれる能動的視聴者は少なくないはずだ。それが、番組の宣伝もせずに単発でサッと流してハイ終了じゃぁ、接したくてもそれすらできないじゃないか。

全国一斉ネットは望まない。せめて、系列内での番組交換くらいやって欲しいし、やるべきことだ。

ローカル局の倉庫で眠ったまんまのシンデレラ姫を起こしてやることはできんのかしら。目覚めたら、求婚する人は多いと思うんだけどなぁ。欲目かね?

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