番組構成師 [ izumatsu ] の部屋


飲んでいたら若い衆に「おいくつになられるんですか?」と尋ねられた。◇歳だよと答えると、え~、▽歳くらいに見えますねぇ、と実年齢より10歳ほど少ない歳を言われた。

ここで喜ぶべきか、どうなのか。相手が素直な言葉を返したとして、「見える」ことをどうとらえるかだよなぁ。

ちょっとしたことで「見える」は変わる。その時、ぼくはTシャツにジーンズ、スニーカーで起き抜けの頭。七三に分け、ワイシャツ、スーツにネクタイをつけ、革靴をはいたらどうかしらん。いくつに見てもらえるのかなぁ。

20代に入ったばかりの頃のこと。
文房具屋でタイプライターを「欲しいな…」と思って見ていたら店員が寄って来て、「娘さんにですか?」と言った。ムカ!ときたぼくは店を出て、以来、銀座のその店には行ったことがない。

ま、店員には罪はない。若い頃、ぼくは顔だけ先に歳をとっただけ。

下宿を訪ねてきた営業マンが「あの、奥さまは?」と尋ねたのはハタチの時だった。四畳半のアパートに住むビンボー若夫婦の片割れに見えたのかしらん。「神田川」、「さくらと一郎」の世界じゃないんだからさぁ。

そんなことがあったからじゃないけど、どんな風に「見える」かなんて、どうでもいいのだ、普段はね。

年齢や出身地や人種や働く先や所属先、乗ってる車に住んでる場所、思想信条に近頃は性別にいたるまで、自分が言わなきゃわかんないことなんか大事なことじゃない。

んじゃ、なにが大事なの?

ん?

そりゃぁ、第六感でしょ。出会ってその場でピンとくる。それには、間違いはきっとない。

でも、ピンとくることなんか、めったに、ほとんどありゃしない。だから、一生懸命お話しするさ。そんな懸命な場に、所属や年齢や性別を持ち出すヤカラの多いこと。ぼくの興味はあんた個人にあるんであって、地位や肩書きなんぞ何の説明にもならん。そんなもん、丸めて馬にでも食わせちめえ!

なんて口に出して言えたのは15年くらい前までかな。聞かずともいいことを持ち出さないと会話が成立しない人や場合が多々あることを知ったから。


でも、本音を言うのは酒の席だけなんて願い下げ。シラフが一番正直なんだよ。


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