番組構成師 [ izumatsu ] の部屋

♪今日のBGM=Deep Purple 『Stormbringer』


頭「頭」


きょう、あすと宮崎。宮崎行きは久しぶり。

宮崎には民放がふたつしかない。TBS系列局と、フジ、日テレ、テレビ朝日3局クロスネットの局。数年前まではどちらの局にも今は偉くなられた制作部長さんや局長さんがいて、年に数本、一緒に仕事をさせてもらっていた。
その部長さん、局長さんがもっと偉くなり制作部を出ると、ぼくとの関係もプツリと途絶えてしまった。

フリーの構成屋を入れるには、当然ながら経費がかかる。その経費がかかってもよしとする部長、局長さんならば、社外の人間を制作スタッフに入れることもいとわない。
しかし、社内スタッフだけで番組はできるのに、なぜ金をかけてまで社外の人間を雇わねばならんのか? そう考える部長・局長さんだと、ぼくのようなフリーを番組制作に参加させることはほとんどない。

雇われるフリーの立場だから言うのではないが、「社内の人間だけでできるのに」と考える制作責任者は、もう古いのではないか?
確かに社内の人間だけで番組はできる。そして、無事に流れる。そこに社外の人間を入れる余地はない。彼らはそう考えている。しかし、実際の番組制作は社外の人間に頼り切っているのだ。
ある番組を例にとると、スタッフの中で局の社員はディレクターだけ。カメラマンも音声も、選曲も、そして編集する人間も、すべてが社外の人間。子会社・関連会社に所属しているというだけだ。

先日、やった番組は、ディレクターまでが関連会社所属。制作に関係したスタッフの中で局に所属する人間は、プロデューサーただひとり。そのプロデューサー氏は、制作現場に一度も顔を出したことがない。ゆえに、ぼくも一度もお目にかかったことがない。
オンエアした時に流れるスタッフロールで、

--あぁ、プロデューサーはこんな名前の人なのね。

と初めてわかる程度の存在だ。「社内の人間だけで制作」が聞いてあきれる。

今、大半の局は、経費削減のためにカメラマンや音声担当を子会社化した組織から出向させている。それは社外の人間に頼り切っているということではないのか。
同様に、ディレクターも子会社やフリーの人間が増えている。厳密に言えば、今、社内のスタッフだけで作っている番組など、ないに等しいのだ。要は、「金をかけたくない」ということに過ぎない。

偉い方が制作の現役だった頃と今は違う。経済のあり方も違うが、制作現場の人間が抱える仕事の量が決定的に違う。
どの局でも争うようにやっている情報番組。毎日やるのは、ものすごく大変だ。それを社内スタッフだけでやらそうとする。当然、ムリだから、この番組だけのアシスタント・ディレクターやディレクターを公募して投入する。番組が終わるとサヨナラ。
結局、制作力がつくのは、社外の人間ということになる。
局は経費を削減しながらも、お金を払って社外の人間に制作経験を積ませ、ノウハウを積ませていることになる。

局では制作部のスタッフがどんどん削られている。中には、制作部が存在しない局もある。テレビ局でありながら、テレビ番組を作るセクションがない。不思議なことだ。
しかし、それはそれでいいことだとも言える。働かない社員に番組を任せるのではなく、番組ごとにスタッフを集める方がよりクオリティの高い番組になるのは確実だから。

今後、ディレクターの役割は、どれだけ優れた社外スタッフを集めることができるかという、言ってみればコーディネイターとしての役割が主体になっていく。バラバラの人を集め、それぞれの能力を最大限に発揮できるように、精神的なメンテナンスも含めて全員をチームとして動かしていく。そうした才覚が欠かせなくなっていくだろう。
企画-取材-構成-編集と、ひとりでこなしてきた昔のスタイルは、もうすでに崩れつつある。

「社内の人間でやれる」
そう考えている偉い方々。あなた方は制作現場の現状を見ていない。あなた方の局で制作している番組のほとんどは、すでに社外の人間なしには成立しなくなっている。社内の人間だけで番組を作っているように錯覚しているのは、経済効率だけで考えているからに過ぎない。

ぼくは、ちんたら働く局の人間よりも、限られた時間で精一杯のことをしようとするプロダクションの人間と一緒にやる仕事の方が好きだ。
例えば編集。局の人間(出向している子会社の人間を含む)は、「ムリだ」「できない」「時間がない」という言葉をすぐ口にする。プロダクションの編集マンは、決してそんな言葉を発しない。とにかくやる、トライする。それも編集ルームが押さえられている時間内に。
一緒にやっていて気持ちいいし、結局できなくてもやろうとしたという満足感が残る。

局の人間は、編集機が無限大の時間、使えると思っているフシがある。しかし実際は、数千万の費用がかかっている編集システム、ひとつの番組に使う時間が長くなれば、その番組にかかる経費は増えて行く。使えば使うほど、編集システム導入及びメンテナンスなどでかかる費用を食いつぶしていることになる。
しかし、そんな考えを持つディレクターは、めったにいない。

その点、プロダクションは厳密だ。ある番組用に3日間だけ押さえているとすると、その3日間で番組を完成させなければならない。ほとんどの場合、延長はできない。だから懸命だ。
先日、沖縄で編集を社外のプロダクションでやった時も、朝7時までほとんどノンストップ。その編集ルームで次の仕事が開始するまでに今の番組を仕上げないと、会社が成り立っていかないから。
かと言って、編集クオリティが下がるわけではない。時間がないからといってクオリティを下げると、次の仕事が入らなくなる。
その時は、20代後半らしき編集マンだったが、ひと言もグチをこぼさず、ディレクター氏やぼくの依頼を聞きつつ、番組を仕上げてくれた。

ディレクターの仕事がどんどん増えたり、編集の時間が削られていくのは問題だ。いい意味での余裕がないと、番組の内容を練ることもできない。しかし、それは、文句の多い、のらくら働くことを是とすることを意味しない。
局の人間は、一度はプロダクションに体験入社したらどうか。経済的にも時間的にも機材的にも、どれだけ厳しい条件下で、できうる限りの仕事をしているか。その現場をきっちり経験してみたらどうか。
そして、その現状でよりよいものを目指しているプロダクションのスタッフを見て感銘を受けないようならば、テレビマン、テレビウーマンを廃業した方が視聴者のためだ。

そう、よろしく願いたい。



番組構成師の部屋



“ネコ助-Aoi's Room”

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宮崎大学に妹が行っていたのです。あそこはいい人が多いですね。本当にのんびりしていて。
中学・高校生が皆首にタオルまいて自転車乗っていました。暑いから汗を拭くとかで・・・。

そしてお知らせありがとうございます。
私の家は録画機がないのですが、親に頼んでみます。結構かなり楽しみなので・・・頑張って起きて見たいと思っています。

2004.03.18 13:00 URL | じゃんばらや5933 #79D/WHSg [ 編集 ]

izumatsu先輩、こんにちは。
イマイチ調子のでないうるとびーずです。
さっきは雪が舞ってました。寒い……

ところで宮崎、好きですねー。
大学で一番最初に友達になった人が宮崎出身でした。
彼女のご主人、確か宮崎放送のカメラマンだったような。
もしかしたらどこかで一緒に仕事してるかもしれませんね。

うー、それにしても寒い。
早く春にならないかなぁ。

2004.03.18 14:17 URL | うるとびーず #79D/WHSg [ 編集 ]

★じゃんばらや5933さん、おいでませ。

>宮崎大学に妹が行っていたのです。

おや、学部は?
宮崎大学の先生に番組の監修をしていただいたこと、ありますよん。

>あそこはいい人が多いですね。本当にのんびりしていて。
>中学・高校生が皆首にタオルまいて自転車乗っていました。暑いから汗を拭くとかで・・・。

確かに、ほんわかのんびりした雰囲気の人が多い感じがしますね。
冬、宮崎に行くと、その空の青さにうらやましくなります。
心地よい風と真っ青な空。
余生はここで送りたいなぁ。ふと、そう思ったりしますね。

>そしてお知らせありがとうございます。
>私の家は録画機がないのですが、親に頼んでみます。結構かなり楽しみなので・・・頑張って起きて見たいと思っています。

げ! そこまでしていただかなくても・・・・・。
すいませ~ん。

2004.03.19 20:06 URL | izumatsu #79D/WHSg [ 編集 ]

★うるとびーずさん、おいでませ。

>izumatsu先輩、こんにちは。

はぁい、こんちはぁ~。

>イマイチ調子のでないうるとびーずです。
>さっきは雪が舞ってました。寒い……

あらら、大丈夫すか? 季節の変わり目ですしね。
ムリは禁物ですよ。

>ところで宮崎、好きですねー。
>大学で一番最初に友達になった人が宮崎出身でした。
>彼女のご主人、確か宮崎放送のカメラマンだったような。

あら、昨日、今日と、宮崎放送さんへおじゃましとりました。なんて方でしょ?

>うー、それにしても寒い。
>早く春にならないかなぁ。

宮崎はとてもいい天気。
そろそろ桜も見ごろかなぁてな陽の光でありました。日本は広い。
ゆっくり、ふと気づいたら春だった。
そんな感じにあったかくなりますよ。もう少しですっ!

2004.03.19 20:12 URL | izumatsu #79D/WHSg [ 編集 ]













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