番組構成師 [ izumatsu ] の部屋


♪今日のBGM=Albert Collins 『 Rockin' with the Iceman 』






--「この国を想い、この国を創る」。

--自民党の目指すもの、それは誰もがこの国生まれてよかった、

--そう思える国づくりです。

--テーマは「日本」。自民党!


お昼を食べつつテレビを見ていたら、小泉さんが登場して、
元気にこうしゃべって、消えていった。

参議院選挙に向けての、政党コマーシャル。
自民党の総裁である小泉さんが、自民党CMに登場するのは当たり前。
でも、なんとなく奇妙な感じ。

自民党の主流派ではない小泉さんが首相であることからして、
ほんとうは奇妙なのかもしれない。
しかし「テーマは『日本』」とは、これまた大きく、かつ、あいまいに出たな。

党としての公約などないも同然の、このコピー。
具体的なことがなにもない。
具体的なことを口走るとその揚げ足をとられかねないし。

耳ざわりのいい言葉で広く有権者にアピールする。そんなところか。
“想い”とか“創る”という言葉はわざわざ文字で見せている。
どちらの漢字も、実体がないものを述べるときや、体裁を整えるときに
使われやすい文字だということを本で読んだことがある。
また、なにかを夢想するときにも頻用される漢字だとか。

--あ~ら、ピッタシ。

そう思ってしまった。


「この国に生まれてよかった」

胸を張って、そう言いたいです、ほんと。
しかし、過去の行為は解決済みと切り捨てている今の母国。
生まれてよかったと言うにはあまりにも腰がすわってなさ過ぎだ。

その腰のすわらなさをリードしてきたのは、自民党。
その自民党に舵取り役を任せてきたのはぼくら国民だから、
胸を張れない国を“創って”きたのは、やはりぼくらということになるだろう。

“国際貢献”のためにイラクへ行ったはずの自衛隊。
それが、あららの間に“多国籍軍”へ参加することとなった。
ますます、「この国に生まれてよかった」とは思えない。

--多国籍軍には参加する。だが、指揮権は日本が保持する。

そんな小理屈で乗り切れてしまう国民。
ほんとに扱いやすいんだろうなぁ、ぼくらは。

多国籍軍に参加するというこの事実に、
ぼくら国民のどのくらいの人たちが関心を持っているのだろう。
関心を持たないのは受け入れたと同じこと。
将来、紛争地帯へわが子がかり出されても、
母も父も、国に非を負わせることはできない。

もう、OKを出してしまったのだから、“無関心”という自己表現で。

多国籍軍に参加することにしました。
各国の軍隊が集結した中で自衛隊もその役目を果たします。
でも、自衛隊は軍隊じゃないよ。
“自衛”のためにしか、武力は使わないんだからさ。
命令はぼくらがするって言ったらいいよってさ。
だから、心配ないよ。ぜんぜんだいじょうぶだぁ。

そんな収め方で、殺し殺される場所へと出かけることがあっさり
決まった。


「やっとれん」


小泉さんが、

--自衛隊は「軍隊」だ。

そう断言したのは、もう一昨年のことだろうか?
ほとんどニュースにもならず、批判の対象にはならなかった。
それどころか、話題にさえのぼらず、記憶への片隅へと押しやられた。

結局、痛い目を見るのはぼくらなのに。






小泉さんの政治手腕は、最近の「コイズミ流テレポリティクス(テレビ政治)」で
十二分に発揮されてきているのではないだろうか。

拉致事件での、家族会の憤怒に反論せずに耐えるコイズミ。
それだけで、小泉内閣の支持率はぴょんとあがった。
メディアによっては、北朝鮮を訪ねる前よりも10ポイント以上も伸びた。

そして、小泉さんに怒りをぶつけた家族会のもとへは、
1000を越える批判のメールと、「感謝もしないのか」という罵倒の声が寄せられた。


なぜかテレビで中継された小泉さんと家族会との会談。
それまで、あんな位置関係の映像を見た記憶はない。

映像に弱いぼくら。あっさり、小泉さんの手にハマった。
テレビがどう映し、それを見た国民がどう反応するか、
緻密に計算されているのに。

大体、拉致被害者の子どもたち5人は、
小泉さんが行かなくとも帰ってきたとされている。
あわよくば、プラス3人の家族8人、全員帰国。
それが演出できれば大成功。しかし、5人でもコイズミ人気はアップする。

小泉政権にはマスメディア対策を専門に行う人たちがいる。
北朝鮮を訪問する前、専門家はこんな風に分析したという。

「もし帰ってくる子どもたちが5人に留まっても、
子どもたちが両親と会う映像などの効果を考えれば、
国民は首相についてくる」

そして、その通りになった。
帰ってきた子どもたちは、どこか純朴そうで、控え目で、はにかんでいて。
コイズミ流テレポリティクスの脇役として、どんぴしゃだった。

両親との再会劇、そしてそれに続くあふれんばかりの「今日の子どもたち」報道。
テレビは視聴者のニーズに合う情報を流す、だからこそのマスコミ。
小泉さんは、行く必要のない北朝鮮へ出かけ、家族会の非難を敢えて浴び、
その姿をテレビカメラにさらすことで、国民の人気を取り戻した。

子どもたちが「少しずつ日本の生活に慣れてきてます」、
そんな映像に、拉致被害者の苦しみは、あっさり覆われてしまう。

危ない。
テレビは、事実のごく一部しか見せてはいない。
今、映し出されている映像は、現実のほんの一部でしかない。

にっこり話す拉致被害者から少しカメラを横に振れば、
混乱して涙を流す子どもたちがいるかもしれないのだ。

想像力までテレビに預けてはダメだ、絶対に。


番組構成師の部屋


“ネコ助-Aoi's Room”

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こんばんは。

言われてみると
自民党の主流派ではない小泉さんが首相であることは奇妙ですね。
何だか仲間割れしたバンドのリーダー(顔は一番いい)みたいな。。。

彼は私にとっては厚生大臣のイメージが強いです。

趣味で毎年厚生白書だけは買っていたからです。

意外に彼は達筆でした。

2004.06.21 23:00 URL | じゃんばらや5933 #79D/WHSg [ 編集 ]

>あららの間に“多国籍軍”へ参加することとなった。
ほとんど議論のないまま決められる不思議。呆気にとられているうちに時代がおかしな方へと流れてしまう。首をかしげているうちにどんどん。。。もっと怒るべきですね。(わたしも含めて)

2004.06.21 23:07 URL | 夜間飛行 #79D/WHSg [ 編集 ]

代理店とテレビ局はうれしいかもしれないけど
元は税金だったお金でCM流す政党ばかりなのは
何とかしてくれないかなあ。などと思ってCM
見ています。

あんなもの見るより、政見放送が面白いんですけどね。でも誰も見れない時間とかに放送するし
弱ったものです。それでは。

2004.06.22 00:12 URL | コブラクロー #79D/WHSg [ 編集 ]

★じゃんばらや5933さん、おいでませ。

>こんばんは。

はいはい、こんちはでございます。

>言われてみると
>自民党の主流派ではない小泉さんが首相であることは奇妙ですね。
>何だか仲間割れしたバンドのリーダー(顔は一番いい)みたいな。。。

とりあえず一緒にいる方がなにかと都合がいいってことですかね。
団体の“顔”であることは間違いないですし、
小泉さんはみんなに見られることが好きそうだし、適任なんでしょうね、やっぱし。

>彼は私にとっては厚生大臣のイメージが強いです。

あれ、厚生大臣もやってたんでしたっけ?
いつごろでしたっけかね?
首相以上に大臣はころころかわるからなぁ。
「今の各省庁の大臣名を述べよ」なんて言われたら、
完璧にアウトですね、ぼくは。

>趣味で毎年厚生白書だけは買っていたからです。
>意外に彼は達筆でした。

う~ん、不思議な趣味をお持ちで・・・・・。
白書類は、たまに見るとおもしろいけど、買う気にはならないですね。
霞ヶ関あたりに政府刊行物センター(だったかなぁ)があって、
仕事で白書類をちょこちょこ買いに行ってましたよん。

2004.06.22 08:05 URL | izumatsu #79D/WHSg [ 編集 ]

★夜間飛行さん、おいでませ。

>>あららの間に“多国籍軍”へ参加することとなった。

>ほとんど議論のないまま決められる不思議。呆気にとられているうちに時代がおかしな方へと流れてしまう。

あっけにとられますよね、ほんに。
「年金」は、まだドタバタ劇で、何やってんだかと思えましたけど、
「多国籍軍」は、ほんとにアッと言う間に通り過ぎてしまいました。

>首をかしげているうちにどんどん。。。もっと怒るべきですね。(わたしも含めて)

ぼくも含めます。
ぼんやりしているぼくらもアカンのですけど、
首をかしげるヒマも作らないってのはもっとアカンことだと思いますね。

2004.06.22 08:11 URL | izumatsu #79D/WHSg [ 編集 ]

★コブラクローさん、おいでませ。

>代理店とテレビ局はうれしいかもしれないけど
>元は税金だったお金でCM流す政党ばかりなのは
>何とかしてくれないかなあ。などと思ってCM
>見ています。

ああいうCMって、どのくらい金額かけるんでしょうねぇ?
通常の金額が発生するのなら、テレビ局はウレシイでしょう。
営業する必要もないですしね。

>あんなもの見るより、政見放送が面白いんですけどね。でも誰も見れない時間とかに放送するし
>弱ったものです。

政見放送は秒数も決まってますから、その中で何を言うか、おもしろいですよね。
でも、流されるのが早朝だったりするから、なかなか見ることができません。
見てもまだアタマが寝てたり。
パッと目を覚まさせてくれるくらいのお話だといいんですけどね。

2004.06.22 08:19 URL | izumatsu #79D/WHSg [ 編集 ]

>想像力までテレビに預けてはダメだ、絶対に。

☆ こんにちは。上記、全くその通りです。
今の世の中はオーウェルの『1984』から20年も経って
います。より巧妙になるのは当然のこと。
少なくともオーウェルの本を読んだ事もない者たちが
ニュースのタイトルにニューとスピークを合体させて
いるような不勉強な国では。。。

>想像力までテレビに預けてはダメだ、絶対に。

ではでは。

2004.06.27 12:18 URL | 執事 #79D/WHSg [ 編集 ]

★執事さん、おいでませ。

>>想像力までテレビに預けてはダメだ、絶対に。

>☆ こんにちは。上記、全くその通りです。
>今の世の中はオーウェルの『1984』から20年も経って
>います。より巧妙になるのは当然のこと。

巧妙と言うか、ずさんと言うか、微妙なところですね。

>少なくともオーウェルの本を読んだ事もない者たちが
>ニュースのタイトルにニューとスピークを合体させて
>いるような不勉強な国では。。。

現場の勉強も不足かもしれないです。
自分でニュースを得る、獲得することに熱を入れていない感じがありますね。
時代の流れ、器機の進歩っていうのは、結構コワいです。

2004.06.27 13:13 URL | izumatsu #79D/WHSg [ 編集 ]













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