番組構成師 [ izumatsu ] の部屋


♪BGM= Foghat 『 Road Cases 』






サボンの涙が印象的だった。
昨年の世界チャンピオン。48キロ級では長い間、やわらちゃんのライバルだった。

女子柔道52キロ級準決勝。

サボン選手が横沢選手の袖釣り込み腰で一本を取られたとき、残り時間はわずか1秒。
ポイントはリードしていた。攻めに行かず横沢選手の攻撃をかわして行けば勝てたはずだった。

生真面目な選手なのだろう。
3位決定戦では気落ちした様子も見せず攻め続け、勝利を収めた。

畳を降り、通路を歩き出してから、サボン選手は顔を覆った。
世界チャンピオンのプライドで押しとどめてきた涙が、堰を切ったようにあふれ出した。
そんな感じだった。

敗者復活戦を採用し、ふたりの選手に銅メダルを与える柔道。
「銅メダルは、勝って取るメダル」と言われる。
この意味では、「負けてもらうメダル」である銀メダルの選手よりも大きな喜びを感じるのかもしれない。

しかし、サボン選手には「勝って取ったメダル」の喜びはなかった。

サボン選手はオリンピック出場4回目。
48キロ級で出場した3回のうち2回が銅メダル。
田村選手が念願の金メダルを獲得したシドニーでは7位に終わった。

48キロ級時代は、田村選手の壁にはね返され続けた。
好敵手、ライバルと言われながら、福岡国際女子柔道大会でも、世界選手権でも、
結局一度も田村選手には勝てなかった。

結婚し、出産を経て戻ってきたサボン選手は52キロ級に階級をあげ、初めての世界チャンピオンに輝いた。

4回目のオリンピック。
死角はない。田村選手のような絶対的な王者もいない。今度こそ金メダル!

それが残り1秒で逆転の一本負け。遙かに遠いオリンピックの金メダル。

頂点を目指して鍛え続けてきた時間はなんだったのか?

そんな思いが通路を引き揚げるサボン選手の脳裏を駆けめぐっただろうか。
だが、精進を重ねた人間にしか、自らにそう問いかけることはできない。
その真摯さが見る者の胸を打つ。


勝者の涙は美しい。
しかし、敗者の哀しみもまた美しい。






「みんな、がんばれ」


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サボンという選手は、柔道ってものをちゃんとわかってやってるって感じがしましたよ。準決勝で思いもよらない負けを喫した挙げ句に、きっちりと3位決定戦を終えるには、相当な精神力が必要だったと思いますし。その心意気が「柔」と言ってさしあげたいっ!

2004.08.16 17:54 URL | なおニン #79D/WHSg [ 編集 ]


こんばんは。

サボンVS横沢は、昨日の柔道の中では、一番面白い試合でした。
柔道は、消極的でも違反をとられますよね。素人目には(特に女の私はやったことないし)、何が消極的なんだかよく分かりません。
相手が攻撃させてくれないこともあるでしょうし。。。

私は横沢さんのお母さんが、毎試合ごとに泣いているのが印象的でした。
オリンピックに出場できるような娘・息子をもった親の心境を想像してみたりしました。

2004.08.16 20:08 URL | じゃんばらや5933 #79D/WHSg [ 編集 ]

★なおニンさん、おいでませ。

>サボンという選手は、柔道ってものをちゃんとわかってやってるって感じがしましたよ。準決勝で思いもよらない負けを喫した挙げ句に、きっちりと3位決定戦を終えるには、相当な精神力が必要だったと思いますし。その心意気が「柔」と言ってさしあげたいっ!

さようですね、ぼくもそう思います。
静ひつな感じで、好感が持てる人ですよね。

田村選手にトライしてトライしてトライして、一度も勝てず。
それでも、階級を上げ、畳に戻ってきて、結果を出す。エライすねぇ。
どの競技にも「ブロンズメダルコレクター」っていますけど、一発屋以上の価値があるかもしれませんね。

2004.08.16 22:14 URL | izumatsu #79D/WHSg [ 編集 ]

★じゃんばらや5933さん、おいでませ。

>こんばんは。

はい、こんばんは。

>サボンVS横沢は、昨日の柔道の中では、一番面白い試合でした。

確かに面白い試合でしたね。
勝負は最後の最後までわからんということを再認識させてもらいました。

>柔道は、消極的でも違反をとられますよね。素人目には(特に女の私はやったことないし)、何が消極的なんだかよく分かりません。
>相手が攻撃させてくれないこともあるでしょうし。。。

試合がスピーディに進むように、ルール改正したんですよね。
「前に前に」「先に先に」と技を出していく選手の方が審判に対する受けがいいみたいです。

>私は横沢さんのお母さんが、毎試合ごとに泣いているのが印象的でした。
>オリンピックに出場できるような娘・息子をもった親の心境を想像してみたりしました。

誇らしいけど、心配も多いでしょうね。
しかし、親を喜ばせたことのないワタクシには、語る資格はありませんなぁ。
若きじゃんばらやさん、お子様をオリンピックへ! トライしてください!!


2004.08.16 22:25 URL | izumatsu #79D/WHSg [ 編集 ]













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