番組構成師 [ izumatsu ] の部屋

♪BGM= Poco 『 The Forgotten Trail (1969-74) 』






*AM7:45

机の前に座り、パソコンの電源を入れる。きょうは、しっかり、仕事をせねば。

しかし、イラクでは首相の親族が自宅から拉致され、
ファルージャへの攻撃を止めねば首をはねると犯行声明が出された。

こうやってパソコンの前に座っているところに武器を持った一団が乱入し、
連れ去られたらどうだろう。
そんなことが日常になったら、心はどこで休めるのだろう。

新潟では三つの活断層が、入れ替わり立ち替わり、地面の中でずれるので、
これから1ヵ月は震度5クラスの余震が続く可能性があるという。

キーボードを打っていたら、突然激震。
それが日常となったら、その日常以外のことに思いを馳せられるだろうか。

ぼくの平穏。
それは、たまたまこの国に、戦争が終わってから生まれたからにすぎない。

母は女学生のころ、田舎の道ばたでスケッチをしていたら、通りかかった憲兵に、

「この非常事態になにをしている! 非国民!」

とののしられ、スケッチブックを破り捨てられた。
それが当時の彼女の日常。

戦後、この国が平和だったのは、連合国の思惑が交錯し、東西に分断されなかったからなのだろうか。
戦争を知る父母の世代がわき目もふらず担ってきた経済成長のおかげなのだろうか。

何にしても、平穏なぼくの日常は、ぼくが作り出したものじゃない。


アカン、仕事しよ。



♪BGM= Sam Cooke 『 Portrait Of A Legend 1951-1964』




*PM8:50

昼。

昼食をとりながらTVを見ていたら、「アラファト議長死去」の速報が流れた。

亡くなる前に「葬儀はどこそこで、埋葬はどこそこに」と公表されるという気分はどうだろう。
本人は昏睡状態で、なんの思いも憂いもなかっただろうけど。

後継者を決めることなく世を去ることは、パレスチナ国家建設を悲願とする人々に対して、
最後の責任を果たしてないように思える。

それだけ、陽に陰に、権力闘争が激しかったのだろうし、
アラファトさんにとって権力の座に座ることは、自分が自分である証しでもあったろうし、
自分が退くことが人々の思いを離散させることにつながるおそれがあったのかもしれない。

偉大な指導者でもあり、多くの血を流した一生でもあった。
冥福を祈りたい。

しかし、アラファトさんの遺産が数十億円(報道によっては数百億)にのぼると知って驚いた。
それは個人の“資産”なのだろうか、PLOなどの活動に使う“資金”なのだろうか?
この莫大な額のお金は、いったいどこから集まってくるのだろう。
イスラム教徒の浄財だけとはとても思えない。

彼の存在を活用している力の存在を感じてしまう。

しかし、人生を閉じるときになり、“いかにも”というごたごたが生じつつある。
ここにきて登場した若い奥さんが、その数十億にのぼる遺産の相続を主張。
PLOの幹部と険悪な関係に。

アラファトさんと離れ、パリに住んでいた夫人には、夫から月に500万円也の仕送りがあり、
何不自由なく豪遊していたという。
そのためか、PLO幹部だけではなく、一般の人たちにも受けはよくないらしい。

まぁ、このあたりの話はウワサの域を出ない。
だが、この奥さん、どうしても“同志”には見えないし、そう思えないのだが・・・・・。

アラファトさんの私邸は、けた外れの豪邸だという。
彼は、自分の労働の対価として得た収入で、その豪邸を建てたのだろうか?

魑魅魍魎、不可思議な世界。
リーダーの不在が、今の混乱に拍車をかけることがないよう、祈るばかりだ。




甥っ子に貸していたフォーク全集類を取り戻したら、思いもかけず懐かしいものが。

吉田拓郎とかぐや姫の作品集。
どちらも1975年版。

『吉田拓郎の世界』&『かぐや姫LIVE』


拓郎さんは、『今はまだ人生を語らず』をリリースしたころ。
記載されている年表の最後が「昭和49年 28歳」で終わっている。
写真も髪がたっぷり、若々しい。

巻頭には、山本コウタローさんが
「茶色のスーツに身をかため、男 たくちゃん どこへ行く!」
と題する小文を寄せている。

その中に、

「拓郎は近頃ジーパンをはかない。--中略-- レコード大賞を受賞する時でさえジーンズの上下で出た拓郎が、それを捨てたということは少なからず心に変化があってのことだと僕は思う」

という文章が。

あれ、そうだったっけ?
ぼくの中の拓郎さんは、ステージ上でのジーンズ姿から、
フジTVの『Love Love 愛してる』までジャンプしているのだ。

かぐや姫の方は、『かぐや姫LIVE』のリリースを記念したものだ。
こうせつさん、正やん、パンダさん、みんなそろってガリガリに細い。
フォークの旗手は、ふくよかじゃダメなんだ。
ぼくもこのころ、60キロを切っていたっけ。

キーボード、右手一本でメロディを弾いてみる。
忘れいてた曲を思い出す。

拓郎さんの『日本人になりたい』『私は狂っている』『とっぽい男のブルース』『恋の歌』・・・・。
あったねぇ、こういう曲が。

歌詞も若くストレート。

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♪『日本人になりたい』

ある街に 貧しい娘がいた 母親だけの 貧しい暮らし
日本人に なりたい 日本人だと 信じたい
娘の心は 俺たちよりも美しい

ある時 悪い男のために 混血娘と 笑われて
日本人に だまされた 日本人が 傷つけた
娘のもつ血は おまえたちより美しい

ある夜娘は 星の光で けがされた身体を 洗っていた
日本人に なりたい 日本人だと 信じたい
娘の心は 日本人より美しい
-----------------------------------------------


かぐや姫は、メロディがきれいだ。
中でも『僕の胸でおやすみ』かなぁ、やっぱり。
数少ないパンダさんのオリジナル。

♪き~みの~ 笑顔の~ 向こうにある~ 悲しみはぁ~♪

♪ふたりで あ~るいてきた道なのに なんて~さびしい~♪

こんなきれいなメロディがよく浮かんだよなぁ・・・・。

ふと気がつくと、1時間以上、『僕の胸でおやすみ』を弾いていたぼくなのだった。



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「僕がご飯を食べているときにも、遊園地に出かけて遊んでいるときにも、どこかの誰かのお葬式があったりするのかな」
と、小学生の息子が呟いていました。クラスメイトの友人が亡くなり、弔問から帰宅しての言葉でした。ここのところ身近なひとの死に直面することが続き、死と日常は隣にあることを実感しているようです。
ごく普通の現実の大切さを支えているのは、想像力なのかもしれない。

2004.11.11 09:50 URL | nonkey37 #79D/WHSg [ 編集 ]

こんにちわ

考えてみればそういうこと、って感じですごく同感です。
半分以上は自分で作り出したものじゃない日常って中にどっぷりつかってるし、たぶんこれからずいぶん先になってもそれは変わりそうもないですし。

まったくです。

2004.11.11 12:09 URL | なおニン #79D/WHSg [ 編集 ]

★nonkey37さん、おいでませ

>「僕がご飯を食べているときにも、遊園地に出かけて遊んでいるときにも、どこかの誰かのお葬式があったりするのかな」
>と、小学生の息子が呟いていました。

いい言葉、というと変かもしれませんが、気づきの始まりなんでしょうね。
幼いころ、いつも、どこかで、誰かが死んでいくことを思い、
怖くて眠れなかったことがあったのを思い出しました。

>クラスメイトの友人が亡くなり、弔問から帰宅しての言葉でした。ここのところ身近なひとの死に直面することが続き、死と日常は隣にあることを実感しているようです。

ぼくも小学校のころ、同級生が亡くなったことがあります。確か6年生のときでしょうか。
小動物の「死」とはまったく違う感覚でしたね。
自分の身の回りにはあるはずもない「人間の死」、その感じは言葉にできないものでした。
友だちに二度と会えない悲しさというより、
“あるはずもない”というのは、単なる思い込みだということを
知った驚きの方が大きかったような記憶があります。

>ごく普通の現実の大切さを支えているのは、想像力なのかもしれない。

想像力は何かを知ることで生まれるんだと思います。
なんにもベースがないと想像を広げることができません。
息子さんは大きなベースを築いたことになりますね。悲しい出来事ですけど。

2004.11.11 15:43 URL | izumatsu #79D/WHSg [ 編集 ]

★なおニンさん

>こんにちわ

はい、こんちゃ。こちらは今(11/11 PM3:44)、雨が降り出しましたよ。

>半分以上は自分で作り出したものじゃない日常って中にどっぷりつかってるし、たぶんこれからずいぶん先になってもそれは変わりそうもないですし。
>まったくです。

学生時代、それがコワくてですねぇ・・・・。
自分のモノでないものであふれている四畳半の空間が息苦しくて仕方なかったっすねぇ。
モノだけじゃなくて、自分が居るその状況も自分が作り出したんじゃないし。

それがコワくなくなるのがオトナになるってことでしょうか?
ツラの皮が厚くなっただけかしら?

2004.11.11 15:48 URL | izumatsu #79D/WHSg [ 編集 ]













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