番組構成師 [ izumatsu ] の部屋


番組がひとつ、制作終了。あしたが番組を配信する局への納品日だそうだから、今ごろは宅配便のトラックの中か、集荷場だろう。いまは、無事に配信局へと到着し、何事もなくオンエアされることを祈るのみ。

納品日に間に合わず、ぼくが配信局までテープを持ち込んだことが2回ほどある。そのうち一回は、納品日翌日だった。徹夜明けにビールをひっかけ、テープを小脇に抱えて朝一の飛行機に乗り、始業時間前にテープを持ち込んだら、担当のデスクが休暇を取っていた。別に翌日でもオンエアに支障はなかったのである。

しかし、テレビの、特に制作セクションは時間に実にアバウトなので、本当にギリギリのラインを「納品期限」にしてしまうと放送事故につながりかねない。オンエア時間は決まっているので、時間にぴりぴりしている(ように見える)番組送出担当部署からすれば、なんとまぁルーズな輩かと思えるに違いない。

数年前、某局で編集が遅れに遅れたことがある。その編集は、社外のプロダクションの一室で、パソコンを使ってやっていた。最初はさくさく進み、「楽勝楽勝、丸一日は余るよ」なんてゆったりしていたのだが、途中からパソコンがなかなか言うことをきかなくなり、ズルズルと遅れはじめた。

それでも余裕しゃくしゃくだった。が、余るはずの一日が、あぁぁぁ・・・・と言う間に過ぎたころから、完璧にヤバイ感じとなっていく。編集が終わり、ハードディスクからオンエア用のテープへ映像をダビングする段階になって、パソコンの反応は最悪に。動いているのやらいないのやら、編集マンも把握し切れていないのがその表情に如実に表れている。

ダビングを終えたのがオンエアの40分ほど前。テープを抱えたディレクターとふたりで、タクシーに飛び乗った。10分かからずに局へ着くはずだ。

ところがこの日は休日で、メインストリートは大渋滞。編集プロダクションのあるビルからブーッと数十メートル走ったきり、動けない。こりゃ、ヤバイどころじゃすまないぞ。

事情を知ったタクシーの運転手、脇道へと左に折れると、狭い抜け道を走る走る。局の前でお礼もそこそこにタクシーから飛び降り、サブと呼ばれるコントロールルームへ駆け込んだ。そのとき、オンエア4分前。その場にいたスタッフから拍手が起こった。番組が出来上がって拍手喝采を受けたのは、このときだけである。

そのままホテルに戻ったぼくは、疲労困憊でテレビをつけてベッドにばたり。すると、スイッチの入ったテレビから、今、持ち込んだばかりの番組が流れ始めた・・・・・。

あぁ、胃袋が裏返るような、あんな思いは二度としたくない。
でも、スリル、あったなぁ。


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