番組構成師 [ izumatsu ] の部屋

♪今日のBGM=Louis Armstrong 『An American Icon』

イラクへ行くことになる自衛官の皆さん。
あちらでは「来るな」と言われ、こちらでは「行くな」と言われ、大変ですね。

「せめて、国民からは、行ってらっしゃい、と言われたい」

という、隊員の方の言葉がありました。
ほんとうにそうだと思います。

しかし、ぼくは「行ってらっしゃい」とは言えません。
人の命を救う任務で、皆さんはこの世を去るかもしれません。
自らを守るために、子どもの命を奪うかもしれません。

そんな可能性のある状況の中へ、「行ってらっしゃい」とは言えません。

何をしに行くのか?
自衛官の皆さんは、きっとわかってないと思います。   ぼくもです。

総理の話を聞いても、ニュースの解説に耳を傾けても、
「なぜ、自衛隊なのか?」
それがさっぱり、わかりません。

--人道援助のために行く。戦争をしに行くのではない。

かように、わが総理は言われます。

それは分かり切ったこと。
憲法で、“戦争”と“武力”は、永久に放棄したのですから。
憲法変えずして、国際紛争解決のために武力を行使することはできません。

ならば、派遣すべきは武器を携帯する皆さん自衛隊ではなくて、民間の技術者であり、雇用に直結する企業のはず。

でも、そうなりませんでした。

行くのは“日本軍”たる自衛隊。
装甲車に日の丸掲げ、ヘルメットに迷彩色の戦闘服。

「アメリカ軍の支援に来た」

イラクの人たちは、そう思うのが自然でしょう。
ぼくもそう思いますもの。

21世紀初頭、ついにベールを脱ぐ“日本軍”。  歴史の誕生、です。

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いずれ、こうした日が訪れる。

自衛官の皆さんは、そう考えていたのではないですか?
そうじゃないと、おかしいですよね。

武器を手に走ったり、沼に身を潜めたり、戦車の前を匍匐前進したり・・・。
訓練だけをするために、入隊したのではないでしょう。
訪れるはずのない“有事”。そんな仮定の中だけで、訓練を繰り返していたわけではないのですから。

親方日の丸、食いっぱぐれなし。
戦車も操縦できるし、ヘリにも乗れる。潜水艦にも、空母にも。
そんな動機で入隊した方も、きっとたくさんいるでしょう。

以前、仕事で自衛隊のことをちょっと調べました。
この春、中学を卒業して陸上自衛隊少年工科学校へ入学した“自衛隊生徒”が1年生の時に手にする俸給は月15万円。
卒業する頃には19万円をこえます。

一人前になる前から、この厚い手当です。
それだけの期待を、皆さんはかけられているのです。

どんな期待?  それは、国民によって違うでしょう。
ぼくが納税者のひとりとして期待するのは、災害救助隊としての働きです。
自衛隊じゃなく災害救助隊に改組すればいい。そう思っています。

重火器を他国でぶっぱなす。そんな期待は、ありません。
でも「お国のために命を捧げる」ことを期待している人も確かにいます。

そう言えば、卒業式にいましたね、
「立派に、お国のために、身を挺して尽くしてくれれば」と言っていたお父さんが。
あのお父さん、息子がイラクへ行くとしたら、なんて言うんでしょう?

「立派に死んでこい」

そう、言わないことを祈ります。


望まれずに行く。そんなつらい仕事って、ないですよね。
それも命がけ。自分の、そして、相手の。

もしも、罪のない人の命を奪ったら、どうします?
殉職して、2階級特進しても、それがなにになりますか?

逃げましょう、あたら命を落とさないために。
逃げましょう、誰も殺さないために。

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こんなことを思って、書いて。

自衛隊をイラクへ送るな、と言えるのかな、ぼくが。

ぼくは、まがりなりにも、今の政治・経済体制を形作っている一員。
現在の政府首脳を選択した責任は、ぼくら国民にある。
戦後のGHQのように、イラクのアメリカ軍のように、武装勢力が乗り込んできて仕立て上げた政府じゃない。

嫌でもなんでも、小泉さんの発言は、ぼくらの言葉。
世界の中の日本は、やはりアメリカに追随するニッポンだ。
それを支えているのは、やっぱりぼくら。

総理大臣が「軍隊だ」とはっきり認めた自衛隊。
今回、“日本軍”として、初めてのおつとめとなる。

それが成功(なにが成功か、わからないけど)に終わるにしろ、ごうごうたる非難を浴びる結果となったにしろ、“日本軍”が海外で活動した事実と実績は残る。

次は、堂々と、出て行ける。

止めるためにはどうするか?

一番簡単な意見表明は選挙。
だけど、この間の総選挙では、有権者の四割が棄権した。
唯一と言っていい、声をあげる場を自ら放棄した。

そんなぼくらが「イラクは」「自衛隊は」と言ったところで、為政者は痛くもかゆくもないのかもしれない。


ぼくは今まで、選挙で投票した人が当選したことがない。
落ちる人を敢えて選んでいるわけじゃないけど、これを、死に票と言うのかな。

でも、いつかは生きる一票になる。

そうでも思わないと、ぼくも権利放棄をしてしまいそうだ。


番組構成師の部屋

“ネコ助-Aoi’s Room”

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自衛隊って、微妙な表現ですね。
私は親戚の中で5人ほど自衛隊に所属している人間がいるので・・・彼らの話を聞くと何とも言えなくなってしまいます。
ただ、事実として派遣はされるのでしょうけど。

前も書いたと思いますが、
昔中東に旅行に行った際、
「今からアフガンへ戦争しにいってくる」という
変な若い男性2人組がいました。
日本人はアフガン人と似ているから・・・なんて言っていたけど、
彼ら2人はどうしたんだろう?

ちなみにるい・アームストロング大好きです。私の卒論のテーマでもありました。
イラク問題どうなるか分からない今の時期、妙な気持になる曲ですけどね。

2003.12.12 16:16 URL | じゃんばらや5933 #79D/WHSg [ 編集 ]

お散歩です。

つつがなく,つつがなく。今週の「子連れ狼」で出てきました。表向きはおさむらい、実は忍びで明日をも知れぬ命の夫を案じ、幾年月の親子3人の幸せを願う妻の言葉です。切ない。

私も信じてたよ。自衛隊は地震とか、洪水とか、飛行機の事故とか、何かあった時に私達を助けてくれるお兄さん達だと。今でも信じてる。
あの人達がもし武器を向けられたら、どうするのかなぁ。そのまま命を落としてしまうんだろううか。命を守るために武器を向けるのだろうか。でも、相手にも家族がいるんだよね。残されるものはどうしたらいいのかね。

つつがなく、つつがなく。またこのまま明日一日を迎えることができますように。

2003.12.12 17:24 URL | chappi #79D/WHSg [ 編集 ]

★じゃんばらや5933さん、いらっしゃいっ!

>自衛隊って、微妙な表現ですね。

確かに、めちゃくちゃ微妙ですよね。
英語だと「the Self-Defense Force」っていうんですね(今、辞書を引きました)。
自らの国を守らない軍隊ってのはないんだろうに・・。
誰が考えたんですかね?
日本って、戦争の最後の最後に、自国の兵士に守ってもらえなかった、
逆に殺されたという経験があるから、そんな呼称にしたのかな。

>ルイ・アームストロング大好きです。私の卒論のテーマでもありました。

お~、なんか面白そうな卒論ですねぇ! 読んでみたいなぁ。
ぼくの友人に“歌謡曲の歌詞で時代を論じる”なる卒論を書いたヤツがいて、
そのタイトルが「“白い珊瑚礁”から“青い珊瑚礁”へ」。
その昔「ズーニーヴー」というグループが『白い珊瑚礁』という歌を歌ってました。
『青い珊瑚礁』は、松田聖子がレコード大賞の新人賞をとった曲。
そヤツの卒論、タイトルは面白そうだったけど、中味はよくわからんかった記憶があります。
ぼくは卒論も書かず、世間へ出ました。卒論がなかったんですよね。
勉強しない学校だったなぁ、ほんと。

2003.12.12 19:16 URL | izumatsu #79D/WHSg [ 編集 ]

★chappiさん、いらっしゃい!

>お散歩です。

迷子になりませんでしたか? よくたどり着きました。

>私も信じてたよ。自衛隊は地震とか、洪水とか、飛行機の事故とか、何かあった時に私達を助けてくれるお兄さん達だと。今でも信じてる。

それでいいのにね。
「守ること」=「他人の命を奪うこと」という等式がフツウになりそうで恐いです。

>つつがなく、つつがなく。またこのまま明日一日を迎えることができますように。

眠る前にそうお祈りをする。そんな明日がくるのかな?

2003.12.12 19:21 URL | izumatsu #79D/WHSg [ 編集 ]

izumatsuさん
>★じゃんばらや5933さん、いらっしゃいっ!

>自衛隊って、微妙な表現ですね。

確かに、めちゃくちゃ微妙ですよね。
英語だと「the Self-Defense Force」っていうんですね(今、辞書を引きました)。
自らの国を守らない軍隊ってのはないんだろうに・・。
誰が考えたんですかね?
日本って、戦争の最後の最後に、自国の兵士に守ってもらえなかった、
逆に殺されたという経験があるから、そんな呼称にしたのかな。

>ルイ・アームストロング大好きです。私の卒論のテーマでもありました。

お~、なんか面白そうな卒論ですねぇ! 読んでみたいなぁ。
ぼくの友人に“歌謡曲の歌詞で時代を論じる”なる卒論を書いたヤツがいて、
そのタイトルが「“白い珊瑚礁”から“青い珊瑚礁”へ」。
その昔「ズーニーヴー」というグループが『白い珊瑚礁』という歌を歌ってました。
『青い珊瑚礁』は、松田聖子がレコード大賞の新人賞をとった曲。
そヤツの卒論、タイトルは面白そうだったけど、中味はよくわからんかった記憶があります。
ぼくは卒論も書かず、世間へ出ました。卒論がなかったんですよね。
勉強しない学校だったなぁ、ほんと。


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因みに・・・英米文学専攻だったので、
(その中でも近代黒人)
全て英語。100枚。
苦労しまいした。
書いた本人ももうあまり読み…

2003.12.13 12:59 URL | じゃんばらや5933 #79D/WHSg [ 編集 ]













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